FC2ブログ
処分用感想文
個人的な読書感想文
200701<<12345678910111213141516171819202122232425262728>>200703
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
インターネットの法と慣習
インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門
白田 秀彰 (2006/07/15)
ソフトバンククリエイティブ
この商品の詳細を見る


ネット社会には、今までのリアル社会のルールをそのままあてはめても齟齬が生じる部分が多々ある。
そこで、法律がいつどこでどういう事情で生まれ、どう運営されてきたかを、ネット社会に改めてあてはめて再検証した本。
したがって、よくある「最近のインターネット事件簿」のように瑣末なゴシップを短いスパンで取り上げたものではなく、これからは我々はどう振舞い、何を目指すべきか、といった大きなスパンでの指標を確認するための土台作りをまとめたものとなっている。

語り口は、口語体で軽くわかりやすく、法に関する知識がない人でも理解しやすい。
ただし、教養があり過ぎる上に親切すぎて、話がややまわりくどくなっている感じもする。

日本とアメリカでは法律の重みが違う(P45)
アメリカでは「個人が自由である」というところを基礎としているため、役人がああしろこうしろと指示した時に、その権限について裁判で判断するということがザラにあるそうだ。
これはアメリカでの法律の作り方が比較的適当で、現実に即しているかどうかの現場の判断は司法が行う、ということらしい。
一方、日本では役人の指示に対しては「へへーっ」と疑わずに従ってしまう。
その代わり、法律を作る時はアメリカに比べてかなりキッチリ造るらしい。

これはwinnyに関する議論の時に、僕が受けた印象と似ている。
割と真面目な、ネットの論客は「進みすぎた技術と環境に司法はどう答えるか?」という風に司法を試しているような感じだった(まるでアメリカ型の世界)のに、とにかく違法ファイルをタダで集めることに執心していたような人は、合法か違法かだけをやたらと気にするだけで(極めて日本的反応)法自体がどの程度現状に即しているか、なんて全然考えていなかったのだ。

白田さんによると、法を疑い、動かす手段は「投票」しかないそうだ。
投票のために、もう少し考えようよ、という訳だ。
この本、結構過激なのかも。


ネットワークにおける「名誉」(P76)
日本は村社会であるがゆえに、ネットでの匿名性がやたら高くなっているが、それ故に陥りやすい衆愚への警鐘をならしている。
前の大戦でも、赤信号みんなで渡れば恐くない、といって始めた無謀な戦争の結末が玉砕と原爆投下だった。

白田さんは言う

『「名無しさん」の海にまどろむことの危険性について少しだけ考えて欲しい。現実世界の人格を賭ける必要はない。ネットワークにおける「名」を賭けて活動する武士道・騎士道精神を持って欲しい、とお願いするのはやっぱり時代錯誤なのだろうか。』

前にようつべ板で「2ちゃんのノリでようつべに書き込むな! 日本がレイシスト国家だと思われちゃうだろ」といってる人がいた。
これこそが「国家の品格」であり、愛国心というものではないかなあ?と思うのだが。


政治と組織はどうなるのだろう(P192)
日本では、大声で正論を言うやつは危ないヤツか詐欺師である。
しかし、物事を進めるには意思決定を早くすることが不可欠。
そこで、白田さんは「意思決定の困難さ」コストとして扱っている。(P177)
この発想は面白い。経済から政治を語っているようだ。
話が通じない人とはコストの無駄だから話さない、というのは合理的だが不毛な気もするが。


全体的にわかりやすいのに高度な話が網羅されており、建設性もある。応用の効く話も多い。
冒頭のコスプレ写真もお茶目なので、コスプレというとやらしい格好した女の子にカメラ小僧が群がっているとこしか思いつかない人も思い切って買ってみよう。
ネットに関わる人全てにお薦め。
スポンサーサイト

テーマ:オススメの本 - ジャンル:本・雑誌

ネット時代の反論術
ネット時代の反論術 ネット時代の反論術
仲正 昌樹 (2006/10)
文藝春秋
この商品の詳細を見る




インターネット(ブログ・2ちゃんねる)における、論戦の処世術を語った本。
人間は感情で動く動物なので、「現場レベル」ではこういった技術も必要かな~とは思うが、ハッキリ言って感心しない本。
正しい結論、新しいモノの見方を提出することより、対人関係で勝ち抜くためのマニュアルといった感じ。
そんなことに執着してたら、それこそ2ちゃんねる閉鎖論とか不毛な結論しかないだろうと思うが。

正しい意見を言っているものが認められるのではなく、味方をたくさんつくったほうが認められる。
というのは現実的だが、学者がこんなこと書くとはビックリだ。
「政治は力、力は数、数はカネ」で議論が片づけられる世界に、ネットが含まれるとは思わないが。

思想史を専門としているので、話が左右にいってるが、あくまでどっちのグループか、ということでひたすら不毛な処世術が続いている。


「敵と味方がはっきりしない混沌とした状況下では、敵と味方がはっきり分かれるようなことをスパッと言って、味方を固めるのが政治の本質だ」とカール・シュミット(ナチスの法学者)がいっていたそうだ。
うーん、「差別と権力」の「潮目をみるのがうまい政治家」を思い出すね。

「ちょっと前まで『脊髄反射』は技術的に無理だった」(P24)

そう。インターネットは即時性が災いして考える時間がないんだよね。
考える前に反応できちゃうから、感情論になっちゃう。
「考えるより思う」という糸井さんの話はこの辺を指摘していたよね。


「(専門の学者は)自分が正しい答えを所有していると言って自慢したい願望を強くもっているのでしょう」(P111)
ここで、思わず吹き出してしまったのは、内緒にしておこう。


「思い出して下さい。この章での主題は、相手の人格を傷つけてぎゃふんと言わせることです。相手の人格を傷つけて、すっとしたいなんて本気で考えるあなた自身、もうすでに人間のクズですから、いまさら、いい子ぶるべきじゃありません。」
(P193)

これが東大の博士課程修了した大学教授の話かと思うと、泣けてくるね。
小倉秀夫弁護士と対談させてみたい。

ホットドッグプレスのナンパ記事でモテモテになった人とか、ビッグトゥモロウを読んで大出世した人とか、ネットランナーを読んで2ちゃんねるで神扱いされて大満足の人とかならお薦め。

テーマ:暇つぶしにさらりとよむ本 - ジャンル:本・雑誌

日本の戦争力
日本の「戦争力」 日本の「戦争力」
小川 和久 (2005/11/21)
アスコム
この商品の詳細を見る



軍事アナリストの小川和久(平林さんではない)が、日本の軍事力を政治的経済的地政学的歴史的に分析してわかりやすく語った本。
聞き手は坂本衛さん。
右にも左にも偏ってなくて、事実と数字(facts and figures)のみで分析されてるので、非常に説得力がある。

気が付くと毒にも薬にもならない情緒論をいってる私も反省させられた。
ただし、分析は鋭いものの結局対処方法がないようなところもある。(テロとの戦いに関するところや、平和を守るために結果論としてイラク戦争を支持するなど)

ベンジャミン・フルフォード、カレル・ヴァン・ウォルフレン、浜田和幸などの本を読むと、日本が侵略されてもアメリカは助けてくれないよ(モンロー主義みたいな国民性)という話ばかりだが、小川さんによると、日本とアメリカは普通の人が考えている以上に厚いパートナーシップを持っており、ちょっとでも北朝鮮が手を出してきたらタダではすまないような関係だそうだ。
(これはこないだのSPA!でも石破茂が全く同じことを言っていた)

冷静な分析を行わず、ただ人々の恐怖心を煽る連中は北朝鮮の手先といって変わらないそうである。
やはり、マスコミは売れそうな情報を売ってるだけのダメ集団なのか。
実際、テポドンが発射された時の報道は本当にうんざりした。
北朝鮮の軍事力は問題にならないぐらい低いらしい。
騒いでいるのはマスコミだけである。

縦割り行政の害悪や、海上保安庁と海上自衛隊の確執を聞いていると、戦前の軍部の問題が今も同じ形で残っているような印象を受ける。
はたしてシビリアンコントロールはうまくいってるのだろうか。
小川さんによると「危機管理庁」が必要なんだそうである。
役所の「すぐやる課」みたいなもんだろうか。


非常にいい本なので、軍事や政治に興味のない人にも読んでもらいたい。
翻訳して、日本に脅威を感じているアジア諸外国の方にも読んでもらったほうがいいのではないか。


テーマ:まんが - ジャンル:本・雑誌

バカの壁をぶち壊せ! 正しい頭の使い方
「バカの壁」をぶち壊せ! 「バカの壁」をぶち壊せ!
養老 孟司、日下 公人 他 (2003/09/19)
ビジネス社
この商品の詳細を見る


養老孟司(1937年生まれ)と日下公人(1930年生まれ)の対談。
「バカの壁」が売れたので、それに類するようなわかりやすい本を・・・というコンセプトがミエミエで潔い。

戦前・戦後を通して、変わったもの・変わらなかったものを見てきた二人が、経済・政治・漫画・共同体などについて語っている。

「日本は法治国家ではない。成文法と非成文憲法のダブルスタンダードで動いている」
「人は変わる。情報は変わらない」
「参勤交代をしたほうがよい」
「漫画の絵は漢字で、ネームがフリガナ」


など養老孟司の言ってることは、他の本と変わりない。

「日本は核兵器を持つべきだった」
「国連で『歴史は50年以上遡らない』という提案を」


日下さんの話はちょっとギョッとさせられるというか、右っぽい感じがするが、よく読むとちゃんとスジは通ってる(ようするに無理にアメリカ式のやり方を持ち込むと、副作用がでることを懸念しているらしい)ので、ネットで暴走している方々とは違うと思う。

それにしても、大阪あたりの人が朝鮮に持っているメンタリティはよくわからない。
戦後のドサクサで土地を巻き上げた話もあれば、北朝鮮にも元・日本人が結構いるはずだ、とか、そんな世界もあったのかと感心させられることしきりである。


全体的にわかりやすく、読みやすい。
養老孟司が常々言っていることは大体網羅してあるので、常識から外れない程度に常識を疑うことができる。


テーマ:この本買いました - ジャンル:本・雑誌

オフレコ!別冊[最高権力の研究] 小泉官邸の真実 飯島勲前秘書官が語る!
オフレコ!別冊[最高権力の研究] 小泉官邸の真実 飯島勲前秘書官が語る! オフレコ!別冊[最高権力の研究] 小泉官邸の真実 飯島勲前秘書官が語る!
田原 総一朗 (2007/01/26)
アスコム
この商品の詳細を見る



小泉元首相の秘書官を務めた飯島勲に、田原総一郎がインタビューした本。
田原総一郎はテレビの司会を見ていて、あんな強引な仕切り方をしていたら、どんな意見だしたって田原に都合よくエディットされるのがオチだろう、ということで余り買う気がしなかったが、スタッフに巡回先のサイト管理人がいたので購入。

例によって黒バックに白文字・赤文字の毒々しいデザインで、非常に取っつきづらい。
まるで、映画ダウンロード撲滅キャンペーンCMのノリである。
こういう話を好きな人には、こういうデザインになるのだろうか・・・。

世耕弘成の本でも出てきたが、小泉はやはりインスピレーションの人のようだ。
データを集め、演出を研究し、権某術数にたけ・・・ということがないことはなかったのだろうが、既存の政治家に比べ素の状態に近い感覚で決断していたのは本当らしい。

また郵政民営化についても、アメリカの圧力云々という話はなく、郵貯の使い道のハイリスクを是正するためにやったとの主張である。
年次要望書の話は「陰謀論」だったのだろうか?
それとも飯島さんがかわしただけなのだろうか?

「所信表明に地方都市名などを絶対に入れないという原則も破った」そうである。
基本的に地方と中央のバランスも難しいらしい。
政治というものはみんなから集めたカネをどう分けるか、つまり中央から利権をどう地元にもたらすか、が問題らしいがその辺も小泉はスルスルとやっていたようだ。
応援会の会長が裏の世界とのつながりが深い、とかいう話題は出てこない。
当たり前か。

テポドンが発射された経緯について理解している、というのが面白かった。
あれは「日本でいう公務員の抵抗」、つまりリストラされそうな北朝鮮軍部の示威行為、デモンストレーションみたいなものだったらしい。
なるほどである。


全体的にめちゃくちゃ面白いとか、ああそうだったのか!という感じはしない。
小泉に対するネガティブな情報ばかり仕入れていたので、バイアスがかかりすぎていたのかもしれない。
飯島さんは絵がすごくうまいそうだ。見てみたいものである。

テーマ:政治・地方自治・選挙 - ジャンル:政治・経済

copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。