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処分用感想文
個人的な読書感想文
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国家の品格
国家の品格 国家の品格
藤原 正彦 (2005/11)
新潮社
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「すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論!」という帯のコピーをみると、右翼のアジテーションみたいだが、内容は(確かに右っぽいところもあるが)やさしいトーンで理想主義に近いことが書かれている。

論理でつきつめていくと決断ができない場合は、情緒を重んずるとよい。というのが作者の主張。
それ自体は、情報が多すぎる現代のニーズにあっていると思う。
しかしその「情緒」の定義が曖昧なので、作者の主張を丸ごと受け入れるのもやや危なっかしい。

その情緒を計るスケールとして持ち出されているのが、武士道である。
「武士道は国家という概念の始まる前にあった精神論で、それを国家にあてはめて考えるのは無意味」
という向きもあるようだが、P121で「武士道に明確な定義はありません」と書かれてあるように、「武士道・・・のような精神的な高潔さ」というような、一種のメタファーとして捉えればいいのではないかと思った。

近代の歴史を振り返りながら、その問題点を指摘している。
民主主義といえば金科玉条のような使われ方をしているが、実際は衆愚政治に堕ちて戦争を始めることも多い。
その際、第1の権力に治まるのは、国民を煽るマスコミだそうである。
(朝日新聞には、「我々は・・・」という明確なスタンスを持って欲しいものである)

そういった負のスパイラルを防ぐには長期的なビジョンを持った真のエリートにがんばってもらうしかないそうだ。

作者の藤原正彦さんは、満州生まれ。
生まれた国がなくなった人が、国家を憂えるのというのも興味深い。


ネットとリアルの距離感が掴めなくなってきた人、あるいはネットとマスコミ、どちらが正しいのかわからなくて頭がこんがらがってしまった経験のある人などにお薦め。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

戦争における「人殺し」の心理学
戦争における「人殺し」の心理学 戦争における「人殺し」の心理学
デーヴ グロスマン (2004/05)
筑摩書房
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戦争における殺人について、心理的抵抗感、道徳的歴史的社会的な解析やメディアによる影響などを米陸軍出身のアーカンソー大学教授がまとめたもの。
アメリカ軍士官学校の教科書としても使われている研究書。

セックスと殺人は似ているという。
非常に私的で、かつ強烈な体験で、人には話せないものだから。
これは興味深い指摘だ。
前々から、軍隊とレイプは切っても切れない関係にあるのは何故だろう?と思っていたのだが、そのヒントになりそうな気がする。

戦闘は怖い。
では何が怖いのか。
死か損傷か失敗か。
そういうことは故意にあいまいにされてきたが、実は「人を殺すこと」が怖かったのだ。

これは最前線の兵士の話だけではない。指揮官についてもいえる。
部下が戦死すると、相当な罪悪感が発生するのだとか。
(そういえば、乃木希典も切腹したな。)
そういった罪悪感を払拭するためのシステムがベトナム戦争以降、かなり進んだらしい。

第二次世界大戦、戦争は重工業化が進み、戦争は「効率化」を増した。
しかし、その一方兵士のストレスに対するケアや社会の受け入れ体制は全く乏しいものだった。
もっとも、その後、戦争が「IT化」し、政府もメディアの対応方法を覚えると、話は変わってくるのだが・・・。

湾岸戦争、イラク戦争ではメディアの管理がすすみ、兵士が殺人を行っているという感覚を持たないよう、高々度からの爆撃やモニターごしの「ゲーム的」な戦闘(いわゆるニンテンドーウォーとかボードリヤールの『湾岸戦争はなかった』など)に移行していったようだ。
FPSのゲームは殺人に対する負荷への「地均し」に役に立っているそうだ。


全体的に無駄な部分が全くなく、説得力がある。
かなり幅広い分野から引用がなされているが作者はアメリカ人のため、ベトナム戦争に対する分析に裂かれている部分が多い。
やはり失敗から学び取ることが多いということか。

現場・現実を考えず、ネットで無責任なことばっかいってる人にむしろお薦め。

テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

2008年 IMF占領
2008年 IMF占領 2008年 IMF占領
森木 亮 (2005/02/25)
光文社
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光文社ペーパーバッグスから出ていた経済関係の本。
とても来年に日本が財政破綻して、IMFに占領されるとは思えないので、これも評価としてはトンデモ本である。

しかし、日本がとんでもない額の借金を抱え、ある意味「肉欲棒太郎」化しているのも間違いではないので、煽りの部分がハズれただけで、読み方としてはあってるのだろうか?という気もしないでもない。
どこで何を読み間違えたから、こんな風になっているのだろうか。
単式簿記と複式簿記の違いに、もっと教えて欲しかった。

経済関係の話は、現実に即している話に割に、狭い範囲と広い範囲でみることが違っていて当たり前、(合成の誤謬というらしい)という難しいパラダイムで語られるため、検証するのが非常に難しい。
しかも数字の羅列が多いので、読んでて眠くなってしょうがない。
はたしてどこで、この本を検証すればいいのか?


財務省主計局の天下りOBが日本の黒幕、人治国家の主なんだと。
小泉のやりかたでは一般会計の4.5倍ある特別会計の透明化は無理だとか。
やっぱりB層は騙されていたのか。

国民から集めた税金を、横から利権漁りに使う連中をレントシーカーとこの本では呼んでいる。
外国人のベンジャミンがストレートに“泥棒”と呼んでるのに、なぜ日本人の森木さんは“レントシーカー”とややこしい言い方をしてるのだろう。
最近知ったのだが、補助金目当てでペーパー会社作るとか、業界全部で談合するとか、当たり前だそうだ。
レントシーカーは霞ヶ関だけではないのである。


全体として、憂国的というか愛国心は感じるが、どこまで偏った話なのかわからない。
ただ、財政史から検証するという話は面白いので、同じテーマで読みやすいのがあったら読んでみたい。

経済関係に明るく、検証能力がある人ならお薦め。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

イラク戦争 日本の分け前
イラク戦争 日本の分け前 イラク戦争 日本の分け前
浜田 和幸 (2004/02/24)
光文社
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経済的な面からイラク戦争を解説した本。
フセインが石油をドル決済からユーロ決済にしようとしたあたりからアメリカとの確執が始まった、というあたりはかなり説得力があるが、

「捕縛されたフセインは偽者で、本物はアメリカにいる。
重大局面(裁判とか)の直前に彼は“病死”か“自殺”するだろう」


という予想が完全にはずれたため、評価としてはトンデモ本に分類される。
書店でも余り見かけなくなってしまった。
ブラックウォーターやケロッグ・ブラウン&ルートなど、民間軍事会社の話の信憑性はどの程度のものだろうか。

ただし、戦争を一種の公共事業と捉え、
攻撃→破壊→復興
という一連の工程をビジネスとして解説している面はまだ納得できる。
日本でいうゼネコンの利権喰いに、アメリカの場合はさらに軍事産業が加担しているというわけだ。
それとも、他の人がいうように、キリスト教とイスラム教の戦いなのだろうか。

「自衛隊をもっと増派し広範囲に展開せよ」というのが作者の主張だが、これも個人的には賛同しかねる。
自衛隊員も日本人であり、同胞だろう。
それを金のために危険にさらしてどうするのだ。

最近の
「従軍慰安婦の実態は民間の売春婦であり、軍の関与は認められないため、責任を問うのは難しい」
という論説を聞くにつけ、そうすると、イラクに駐留している傭兵(俗に言うプライベート・オペレーター)も政府の指示とは無関係に動いているわけだから、何か問題があっても国としての責任を問われることはないのだろうか?
民営化のメリットってそういう面もあるのか?
という疑問も湧いてくるが、どうなんだろうか。

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

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