処分用感想文
個人的な読書感想文
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フラット革命
フラット革命 フラット革命
佐々木 俊尚 (2007/08/07)
講談社
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ポスト構造主義とインターネットの構造は同じである。
個人と個人が流動的につながるエンド・トゥ・エンド(あるいはP2P)の世界で、そこには中心がない
これを既存の社会にあてはめると齟齬が生じる。

毎日新聞「ネット君臨」や、民主党ブロガー懇親会オウム騒動事件などを詳細に紹介しながら、この「何かしらの中心(公共性)を持たない社会は、社会として非常に危険ではないか?」という問題を掘り下げた本。
なんか「地球は球体である。では、どういう風に展開して地図をつくるのがよいか?」みたいな話だな。

2ちゃんねるの空気に流されるのは言語道断だが、2ちゃんねるを使いこなす(「読む」ではない)リテラシーも今後は絶対必要である。
これは小倉秀夫弁護士がいくらゴネたところで変わりようがない。
なぜなら、例えば歌舞伎町やハーレムといった地理的にヤバいところは予め知識を持っておけば迷い込まずにすむが、インターネットではそうはいかない。
これには自分で学習して自分で防衛していくしかないからである。

「公共性」の見えない世界へ(P209)
佐々木さんは、
「生々しい現実と相対することが可能で、しかも自分に頼る場所も見えなくなった浮遊社会」
で公共性がどうなるのか、という問題をあげている。
「その浮遊社会ではいったい、だれが<公>として責任を取るのだろうか?」
という訳だ。

私はこれについては結論が出ている。
品格を持てばよいのだ。
つまり個人個人が、自分自身を出来るだけ高いところから眺めて、後悔しないような振る舞いをすればよいのではないかと思う。
(というか、他に方法が思いつかない)

自分を見失わず、品格を持てば、炎上しないとか裁判で負けないとか2ちゃんねるで叩かれないとかいうことはない。
しかし、間違いを正す勇気を持ち、自信を持って前向きに進んでいけば普通に生活できるはずだ。

しかし、そもそも今までの社会も、公として責任を取ってきたのか疑わしい気がする。
スケープゴートとかトカゲの尻尾きりとかで、取り繕ってきただけなんじゃないかという気がしないでもない。

佐々木さんが、こういった問題提起をしたのは、戦前の日本が、マスコミと国民が相互に煽り合って民主主義から衆愚政治に堕ち、戦争に突入した経緯を問題視しているからではないか。
ネットに明るいとはいえ、佐々木さんは元・毎日新聞記者でマスコミ人だ。
同じ過ちを繰り返さないように(実際、イラク人質事件では同じ現象が起きたわけだし)考えてしまうのだろう。

話を本に戻す。
この本は「2ちゃんねるはなぜ潰れないか」のP176、「スーパーフラット2ちゃんねる」で、ひろゆきがヘラヘラと身も蓋もなく述べた話を、佐々木さんが最近のネット事件ひとつひとつと真摯に照らし合わせながら検証した本である。

ただし例によって、ここはなくてもいいんじゃ・・・というところもある。
第二章と第三章は省いてもいいと思う。

結論が出ないのを前提としているような話だが、ネット社会を生きている人全員の問題でもあるので、再確認する意味でも読んでおいて損はない。

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ないものねだり
ないものねだり ないものねだり
中谷 美紀 (2006/01/19)
マガジンハウス
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中谷美紀がアンアンで連載したいたエッセイをまとめたもの。

話の内容は食事ネタ、仕事ネタ、美容ネタが多い。
仕事を通して見た人、感じたことを語っている。
着眼点も記号より身体、社会より生活、仕事より人といった点に注目した話が多い。
観念的な話より具体的な経験に基づいた話が多い。
ただし、ただ出来事を書き記してるのではなく、たまーにハッとさせられるような一言も出てくる。

身体性にこだわった表現者というと、バガボンドの井上雄彦も身体のバランスやリズムにやたらこだわっている。
日常的な無駄話のようでも、世の中にあるもので何が一番必要かというと、しっかり動く自分の肉体であるわけで、そのへんは表現者・アーティストである限り変わらないのかも知れない。

パキッとした論理性があるわけでもないが、スカスカした誤魔化してる感じもしない。
ただ、ヒステリー気味になりがちなのをぐっと抑えてるところは随所にする。
特にオバサン扱いされて笑ってしまった、とかいうくだり(P70)の強引さには、感心した。
きっと額に血管を浮かび上がらせ、頬をピクピクと痙攣させ、肩を振るわせ、腹の底で憎悪の火柱を林立させながら笑ってすごしたのだろう。
いくら演技力が上がっても、この手の挑発は騙し通せまい。

また、ネタにつまると食べ物の話題を振っていたそうだ。
食事ネタは隙間を埋めるのに最適な材料のようだ。
ダジャレを連発する人はプレッシャーに弱い人らしいが、もしかしたら、メシの話ばかりする人も話題に乏しい人なのかもしれない。
世界がわかる宗教社会学入門
世界がわかる宗教社会学入門 世界がわかる宗教社会学入門
橋爪 大三郎 (2006/05)
筑摩書房
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世界の宗教がその国や地域などに及ぼした社会的影響や歴史について語った本。
元は大学の授業のプリントだそうで、確かに普通にこれらの専門書を読むより遙かに平易で簡潔であることは確かなようだ。

しかし、扱っている範囲が広すぎる上、個々のエピソードも非常に狭い世界の話のため、実感がわきにくい。
ただし、完全にチンプンカンプンということはない。
ハァそうですかといった感じがずっと続いているような感じである。
(こう書くと、宗教も芸能ゴシップもかわらないようだが、神話なんてそんなものだろう)

最初の日本人と宗教の関係、つまりいかに日本人が宗教を知らずに宗教を軽蔑しているか、とか明治政府と儒教のややこしい関係などは現代社会にまでつながっていて面白い。
しかし、その次の「ユダヤ教とは何か」の辺りからは、関係ない世界の関係ない話が続いていてフーンそうですかといった感じである。
(「使徒パウロの活躍」とか「宗教は神との契約である」といわれても、その辺のRPGの焼き直しみたいにしか聞こえない。)
地下墓地はカタコウムというそうだ。

全体としては、何だかんだいって、宗教社会を統治するためのツールに過ぎなかったことだけは解る。

言い回しがわかりやすい割に、よくわからなかったので、もう一度読み返してみたい。

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