処分用感想文
個人的な読書感想文
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イケダ先生の世界
イケダ先生の世界―青い目の記者がみた創価学会イケダ先生の世界―青い目の記者がみた創価学会
(2006/10)
ベンジャミン フルフォード

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ベンジャミン・フルフォードが創価学会のレポートを試みたもの。

毎日新聞と聖教新聞の関係、創価学会と公明党の関係などは、誰でも知っているが、かなり口を憚られる話題ではある。
通常は「鶴のタブー」とされ、表のマスコミでは取り上げない。

他の本で、コンドリーザ・ライスは創価学会が嫌いという話を聞いたが、それについては言及されていなかった。ガセ?
アメリカのSGI(創価学会)の強さも大したもので、その影響力は大きなものらしい。
アメリカにも創価大学があるそうだ。
アメリカ創価学会のルーツは、戦後GIと結婚して渡米した戦争花嫁だという。

ハービー・ハンコックも学会の会員だそうだ。
そんな人がマシーン・ブードゥー(パーフェクト・マシンの初期タイトル)なんてアルバムを作っていたのか。

私も学会に入っている人は個人的にも何人か知っているが、マトモで優秀な人ばかりだ。
宗教は個人を強くするのだろう。
しかし、それが組織化してカネと人間が動くようになってくると、やはり問題が出てくるようだ。
たとえ出発点が純粋に宗教でも、組織化してくるとカネと権力の動きが始まり政治団体に近くなる。

ジャーナリストの乙骨正夫によると、「池田には3つのウソがある」という。
金集めのウソ、ハコモノをつくらないというウソ、衆議院に公明党を進出させないというウソだそうだ。
こういった池田大作の変節は、1965年10月日蓮正宗の宗教施設を建設するため、4日間で355億円の寄付を集めたところから始まっているという。
地獄の沙汰もカネ次第。
確かにこの集金能力を考えたら、おかしくなるなというほうが無理のような気がする。

95年の国会の答弁によると、創価学会の資金は10兆円程度だという。
当然銀行など多くの人がこれに群がってくる。
そしてこの資金の運用には口をつぐむだろう。

全体的な感想として、個人崇拝や政教分離の面から考えて問題があるようだ。
信仰は信じる・信じないで、正しい・正しくないという「判断」より優先する。
つまり判断を誤らせる可能性がある。
よって政治は宗教と分離させてるべきなのだ。

ベンジャミンは、いわゆる学会に対する悪評はどうやら事実らしく、取材者には組織ぐるみでプレッシャーを与えるようだ、としながらも「憐憫の感情すら感じる」といっている。
本書を読む限りはそんな印象は受けなかったが・・・。

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僕ならこう考える
僕ならこう考える―こころを癒す5つのヒント僕ならこう考える―こころを癒す5つのヒント
(1997/06)
吉本 隆明

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吉本隆明が、私的に、かつ普遍的な見方で生き方を語った本。
いわゆるひとつの人生相談系の本で、こんなもんで処世術を磨いたり、自分の傷をなめたりするのも情けないような気もするがそれはそれで一つの建設的な処方だ。
世の中はレトリックの積み重ねで保たれているのだ。

自分の生き方のとして遊びのあり方、恋愛の対処法、会社の選び方、成長の意味、死と老化への心構えなどが解説されている。

と書くと宗教関係の本みたいで気持ち悪いが、話の内容は個人名を挙げて、あの人はこうだったこの人の場合はこうだった僕の時はこうだった、と非常に具体的である。
ビートたけし、オウムの信者、阿倍英、森鴎外、三浦つとむ、鶴見俊輔、などなど俎上にあがる人物も多彩だ。

会社は社屋と環境で選ぶ(p110)というのは、何だかイージーに感じた。
むしろ他の本でいっていた「クビになるのは価値観転換の絶好のチャンスだ」という話のほうが説得力がある。
吉本も文筆業で生計を立てるまで、職を転々としていたそうだ。

吉本は以前「戦前の自分のことを考えたら、とても戦争反対なんていえない」といっていたが、そういう自分のことを棚に上げない誠実な姿勢はこの本の随所にもみられる。
たとえば、自分だってウソをついたことがあるんだから、他人に100%ウソをつくなと追求できない、というような話もある。

ウソの追求のしかたがある、と言ったらおかしいけど、どこかに抜け道というか、弁解の余地を残した追求のしかたをされると、やや本音に近いところを吐露することになると思うんですね。(P171)



ネットの議論は論破することしか頭にないヤツばかりだが、目の前に人がいる状況ではこういった考え方のほうが安定した、多くの人が納得のいく結論を出せるだろう。

「頭で理解したことより、身体で実感することが重要」と吉本はいっていたが、実際、実感に基づいた話がやさしく語られているので説得力はある。

強迫観念や思いこみに落ち込みがちな時に、自己相対化するのに便利な本。

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日本がわかる思想入門
日本がわかる思想入門日本がわかる思想入門
(2000/10)
長尾 剛

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日本には思想がない」というと、また丸山眞男かロラン・バルトのクリシェを引っ張り出しているみたいだが、その手の人には割とよく聞かれる意見だ。
これに「まったく日本人ってヤツぁ・・・」と、自分が日本人であることを棚に上げて語るのが、90年代以前のインテリの典型的な行動パターンだった。

この「日本がわかる思想入門」の作者の長尾剛はそれに異を唱え、明治維新・第二次大戦の敗北から、『捨て去るべきもの』と一緒に『捨てなくてもよいもの』まで捨て去ってしまったのが、日本思想というオリジナルの成果であると主張している。
と、書くとまた「ネットに真実があるッ!!」と絶叫して差別主義を臆面もなく公衆に晒している万年ヒステリーの国枠主義者かと思われるが、それは違う。
まったく正反対である。
非常にわかりやすく、読みやすい上にニュートラルな視点で語られている思想史解説書である。

古代篇・中世篇・近世篇・近代篇の時間軸順に分かれた章の中で、「独立した40の話の集まり」として構成されており、読みたいところだけランダムに読むことも可能なとっつきやすいスタイルになっている。

安藤昌益の重農平等主義は、人は皆平等に農民になるべきだというスゴイ考えだ。ソ連っぽい。
また富永仲基の、世界の様々な宗教を、それぞれの歴史と風土の影響を受けたもので、むしろ相対的にみる必要がある、という主張は今のアメリカ人にも聞かせたい話だ。

中国・朝鮮に対する特殊な感情についても、この本で初めてそのルーツを知った。
国学からは天皇を認めない不敬から、洋学からは国際社会のルールをしらない後進国と捉えられていたようだ。
その上で、

西郷や福沢は、あるいはその真意を十分に後世に伝えられなかったのかもしれない。(P250)

と福沢諭吉の「脱亜論」や西郷隆盛の「征韓論」を必死にフォローする作者がいじらしい。

個人的には、石橋湛山や、神の存在を認めない新井白石のプラグマティズム(実用主義)が一番しっくりきた。
(軍事板の影響だろうか)

思想・哲学関係の本は、内容を深く知ろうとすればするほど、時間がかかってしまう上に混乱してくることが多いので、コストを考えたらこういうダイジェストじみた面白い読み物にまとめてくれたほうが有り難い。
そもそも、自分に理解できないレベルのものを読んでも、自分の身に付かなければ徒労に終わってしまうので意味がない。
世界の下半身経済が儲かる理由
世界の下半身経済が儲かる理由―セックス産業から見える世界経済のカラクリ世界の下半身経済が儲かる理由―セックス産業から見える世界経済のカラクリ
(2007/03)
門倉 貴史

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セックス産業の機能と意味について、具体的な数値を挙げながら解説した本。
これも「軍事学入門」同様、人が人である限り切り離すことのできないものを、必要悪として明確に検証したもの。

予想はしていたが、世界最古の商売の経済規模はものすごい大きさらしい。
合法・非合法合わせたデリヘルの売上高の推定は、およそ2.4兆円(2005年)程度になるという。
売春は禁止しているが、ソープランドでの店内での行為は自由恋愛だから合法という背骨がひんまがるような強引な理論は、パチンコ業界の三店方式を彷彿とさせる。
「憲法で軍隊を禁止しているが自衛隊はOK」からはじまって、法の精神はそれなりに残しつつ官僚の裁量管理でしきるというパターンが日本には非常に多いような気がする。

パチンコ・パチスロ業界以上に古い闇経済解説書としても、海外の様々な性のありかたについても非常に勉強になる。
昔のインドには樹木と結婚する「木婚」というのがあったらしい。
エロゲやエロ漫画に囲まれて二次コンができる我が国は素晴らしい国なんだなあ、と思った。

ちなみに、セックス産業が芸術の発展にも寄与したことも記述してある。(P17)
ロートレックが女郎買いにのめり込んだ話やピカソの「アビニョンの娘たち」のモデルが売春婦であることを指摘している。
こいつらはまだマシなほうで、自分の妹をモデルにしていたエゴン・シーレのほうが変態性は高いが、カネは払ってないので紹介されていない。なんだか理不尽だ。

売春は宗教とか法律とかで撲滅できるものではありません。
ちゃんと経済と結びついたものです。
だからちゃんと現実に根ざしたルールをつくって、出来るだけ健全に運用していきましょう。
ってオチが完全に「軍事学入門」と同じだ。
人間は暴力とエロから出来ており、その行動の原動力は性欲と食欲なんだということが再確認できた。

ちゃんとお上が管理したほうが、カネの流れがクリーンになり、現場労働者の安全性が保証され、税収が増えるなどのメリットが多いそうだ。
これはまったくの正論で、こういう議論自体に偏見を持つのをやめて、法整備を進めるべきだと思う。(この辺の結論もパチンコと似てるかな)

発展途上国は売春から外貨を得て、インフラを整備し、発展していくことが多いそうだ。
同じようにスイスは傭兵を輸出して、外貨を貯めていったそうだ。(これがスイス銀行の原型だとか)

期待していた売春の価格決定メカニズムについては解説がなかったのが惜しまれる。
恐らく売春の価格は、
・宗教や社会の抑圧が大きい
・年齢が若い
・他の娯楽が乏しい
と単価が高くなるのではないかと思うのだが、他にも政情や経済の安定性とか思いもよらなかった要因があって変化するのではないかと思う。


過剰と破壊の経済学
過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 42) (アスキー新書 42)過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 42) (アスキー新書 42)
(2007/12/10)
池田 信夫

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半導体の集積度は18ヶ月で倍になる」というムーアの法則を、放送・通信産業にまで拡大解釈して、長期的な経済政策のありかたを提案した本。

半導体の集積度以外に、通信速度やハードディスクの容量にまで、この言葉を適用するのは初めて聞いたが、使い方として正しいのだろうか?
知人が固有名詞を実名で表記しているブログを書いていて『ぼくのブログはオープンソースだからー』とかいっていて、面白い言葉の使い方をするなあと思ったことがある。

帯には「未来は予測できる!」と書いてあるが、本書の内容はそんなことはいっていない。
「未来は予測できないから、柔軟に対応できる体制を作ろう」といっているのだ。
これを書いた担当編集は内容を理解しているのだろうか?
また、誤植もちらほらと見受けられる。
『「ENIACは」、1日に何回も切れる』(P24)は『「ENIAC」は、1日に何回も切れる』の間違いだろう。
作者が作者だけに、担当編集は早めに手を打っておくべきだ。

「アンドリーセンの予言」(P50)では、OSがコモディティ(日用品)化して、全ての作業がブラウザベースで出来る世界を予見している。
これは携帯電話以外では、シンクライアントは難しいというひろゆきの話と正反対で面白い。
私としては、転送速度がいくら上がったところで、100%との接続安定性を保証できるわけではないのでひろゆきが正しいと思う。
それに自分の情報を全てネットに置くのは、やはり気持ちが悪い。(対応策はないが・・・)

フランスの貴族・トクヴィルの感想から見ると、インターネットはアメリカ的デモクラシーを世界に拡張したものだという。
この辺は西垣通と同じ感想のようだ。
確かにインターネットはペンタゴンが発祥の地である。
また、その結果、広大すぎる世界に対し、「原子化した個人」の孤独は耐えうるのか、そこに秩序はあるのかと疑問を呈するあたりは「フラット革命」と同じだ。
そこで作者は「新しいコミュニティは建設可能なのだろうか」と締めくくっているが、私は可能だと思う。

というのも、2ちゃんねるのVIP板に外人が降臨したり、アメリカの4chanやロシアの2ch.ru、台湾や中国にも同様の掲示板があることから考えて、ネットの「新しい帝国」をつくるのは各国のキモオタではないかと睨んでいるからだ。
ただし、言語の壁は厚く、それにどれくらいの時間がかかるかはわからない。

全体として、作者が普段からブログで主張していることをまとめただけで、池田信夫ブログの熱心な読者には特に目新しさはない。
どういう層を対象にしているのか、いまひとつわかりずらい。
個人的にはよい復習になった。

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