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野中広務 差別と権力
野中広務 差別と権力野中広務 差別と権力
(2004/06/29)
魚住 昭

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被差別部落に生まれながらも、国鉄職員、京都府政を経て「影の総理」と呼ばれるところまで登り詰めた政治家・野中広務の半生を描いたノンフィクション。

各エピソードから導き出される、政治家としてのスタイルの分析が面白い。

・町長時代に「部落民だけの町長ではなく、町全体の町長だ」といって、部落民の動乱を押さえた話
弱者やマイノリティにはやさしいが、全体のバランスを見渡す能力も併せ持っているところが興味深い。
これは後に、政権をとっると国旗国歌法を定めたりしているのも同じだ。

・潮目をみるのがうまい政治家
「状況が混沌としてきた時に、敵味方をはっきりさせるのが政治の本質」というドイツの学者の話が思い出される。
田中角栄のように、明確な国家ビジョンや理想を持った政治家を「潮目を造る」タイプとすると、野中は利害関係の調整を得意とする政治家だという。
これは現場から叩き上げで育ってきたタイプならではの資質といえるだろう。

・「政界の狙撃手」

情報を駆使して権謀数術を謀り、政敵を追い込むスタイルが野中の特徴。
ようするに、弱点を探すこと、そこを突くタイミングが上手いことだ。
島桂次の国会での虚偽答弁から失脚へと追い込む「シマゲジ追い落とし」のくだりは非常に緊張感に満ちていて読んでいてとても面白い。
そういえば世耕議員もタイゾーに「嘘は絶対にいわないで下さい。わからないことはわからない、言えないことは言えないと言ってください」と教育していたな。

戦後政治の流れを俯瞰できる本としても面白い。
他の本を読んでいても思うのだが、戦後の日本の成り立ちで田中角栄という存在は余りにも大きすぎて、彼のシステム(角栄が現役の時は非常に有効に動いた)から脱却できていないのが問題らしい。

今考えると、かなり取材対象に好意的に記述されているように思うが、下手なこと書くと、潰される危険があったのだろう。
(しかし、それでも野中からは作者にクレームがあったらしい)
別に政治に興味があるわけではなくても、単純に読みものとしても面白いので、政治系の本としては珍しく万人にお薦めの本。
正直いって結構感動した。
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