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ヴァーチャリアン嘘つかない
ヴァーチャリアン嘘つかない―マルチメディアの正体を暴く ヴァーチャリアン嘘つかない―マルチメディアの正体を暴く
渡辺 浩弐 (1994/02)
メディアワークス
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時は1994年。
スーパーファミコン後の次世代ゲーム機戦争の直前であり、ネット社会出現の前夜でもあった時期に書かれた、マルチメディアの本質をついた本。

マルチメディアに実体はない。ゲームとネットだけに未来がある」というのが本書の意見。

実体のないバズワードに踊らされて泡銭を無意味に流す向きを批判する一方、ゲームの本質やネットの将来性について語っているが、今読み返しても、本質的な部分でははずれているところが全くないのがすごい。
レトリックは大まかにいって非常にお下品なものだが、それは話を面白くする(シモネタほど敷居の低いネタ振りはない)こととゲームの本質(生理機能を直撃する快楽文法)を解説するためだろう。

リアリティーよりバーチャルリアリティーのほうがリアルである。(P17)
という話はマクルーハンっぽいというより、むしろ唯脳論っぽい。
ゲームの中のリアリティは、脳の中のリアリティである。
ゲームの中の痛みは、ありもしない体の一部が痛むファントム・ペインである。
(そうか、唯脳論を読んだときあんなに面白く感じたのはゲームの話だったからか)

本質的なゲームの面白さは「動物本能を刺激する抽象性」である。(P29)
ゲームにリアルな映像と音は必ずしも必要ではない。

この本では3DOがマルチメディアマシンとして解説され、ニンテンドウ64(本書の段階ではプロジェクト・リアリティー)がゲーム性の3D化への予兆を含んだマシンとして紹介されている。
ご存じのように、3DOはリビングに置かれるどころか誰にも買われることなく消滅していったのだが、今現在wiiがそのコンセプトを丸々飲み込んだシステムで大成功しているのをみると、やはり商売はタイミングをみるのが重要なんだなあと痛感する。

巻末の「マルチメディア的ゲームソフト10選」は、DSのソフトやwiiのバーチャルコンソールの参考として読んでも面白いだろう。
古くても正しいものは、読み返すと新しいものだ。

「最後の大サービスです。ここ、早く読んだ人勝ち!」(P146)
「データベースとデータベース間を繋ぐためにはそこにある「意味」が必要だ。その「意味」をソフトウェアとして提供する商売。これは間違いなく、クる。」
今、グーグルの時価総額は17兆円である。
しかも、この文章が書かれた時はまだ「検索エンジン」という言葉すらなく「メディアのDJ」といった言われ方をしていた。


非常にわかりやすい文体で、今読んでも古くない。(ブルセラやギルガメッシュナイトなどのデテールは古いが)
入手は困難かもしれないが、ゲームの面白さを解説した古典として必ず押さえておきたい一冊。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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