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新教養主義宣言
新教養主義宣言 新教養主義宣言
山形 浩生 (1999/12)
晶文社
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かつて吉本隆明が蓮實重彦・柄谷行人・浅田彰を「知の三馬鹿トリオ」と評していたが、それならば、自分から喧嘩売りにいってボコボコに論破されてかえってくるというパターンを繰り返している山形浩生は「知の稲川淳二」と呼べるのではないだろうか?

たとえ自分が犠牲になってでも、人々の興味をひいて問題提起が出来ればよいという姿勢は、そのわかりやすい文体とつっこまずにいられない態度もあいまって、破滅ギャグに近い芸風を持っているようにみえるのだ。
「心ときめくミームたちをもとめて」と「情報は自由を求めている」って同義だと思うのだが、そういうと怒りだす人がいそうだな・・・。

この新教養主義宣言という本は、山形浩生が情報・文化・ネットワーク・社会などについて、出来るだけ多くの人に興味をひくよう、面白く掘り下げた啓蒙書。
一部のエリートだけにわかればいい、というものになっていないところが素晴しい。

「平和の危険性と戦争の効用」「選挙権を売ろう!」など、常識を否定しながら、常識を検証している手法が多い。
これは「人は自分の信じたいことだけを信じる」というイデオロギーやバイアスや偏見などによる偏りを避けるために有効なやり方なんだろう。

また「ネットで国家を民営化する試み」(P129)のあたりでは、電子通貨の可能性について、訝しがりながらも将来性を夢想している。
この本は1999年に書かれた本なのだが、今のリンデンドルやモリタポについてはどう思っているんだろう。

「あの聡明な稲葉振一郎」とか「あの聡明な橋本治」とか「官僚いじめもほどほどにね」とかいうような東大でた人のフォローばっかしてるとこみてると、『省益あって国益なし』とか『不遇な部下を庇うことに汲汲して226事件を裁けない軍部』みたいな感じがしてムカつくが(確かに官僚批判は結果論だけで、んじゃアンタならどうやるつうのといいたくなるのが多いが。宮崎学とかな。)、この本では割と社会の本流から外れた、据わりの悪い人達のことも結構描写している。
十三の物語と十三の墓標碑(P257)はウィリアム・ヴォルマンという作家の小説のことを書いたもので、逃げても逃げ切れないような、追いかけても追いつかないような不思議な感覚を描写している。
山形にとっても、とても好きな文だそうだ。
私にとっても、山形のテキストの中で一番好きなものである。

ざっと読み返したが、やはり面白い。
ドッグイヤーの世界では99年の本というと、かなり古いようだが、技術ではなく、人の考え方や文化の在り方に関する話なので、今読んでも古くない。
古くないどころか、新しい発見もある。

面白さの自由度をあげたい人にお薦め。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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