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アントニオ・ネグリ マイケル・ハート・著「マルチチュード」
マルチチュード 上 ~<帝国>時代の戦争と民主主義 (NHKブックス)マルチチュード 上 ~<帝国>時代の戦争と民主主義 (NHKブックス)
(2005/10/30)
アントニオ・ネグリマイケル・ハート

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マルチチュード』という言葉は、インターネット時代の、国家や社会階層などの枠組みを超えた人々の連帯という概念を表した言葉。

3年前に出た本なんだけど、これってモロに毎日変態新聞事件の解説じゃないのって話が延々とつづいていて興味深い。
ただし、誰にもわからなかった、謝罪する対象すらわからなかった毎日変態新聞事件の落しどころについて解答が示してあるということはない。

司法・立法・行政の三権に第四の権力のマスコミ、この4つは身体性を持った固形の権力なのに対し、2ちゃんねらーのように身体性を持たず流動的な攻撃力を持つものは「生の権力」というわけだ。

例えばこんな感じだ

21 名前:可愛い奥様 New! 投稿日:2008/07/09(水) 13:14:04 ID:dpc1irus0

既女板では デモ、署名、団体を名乗る、うっかりのシャメのうp、目標を設定する、潰すと宣言する。
以上のことは非推奨です。もちろん推奨しないだけで個人が勝手にやるのはおkです。

デモ、署名、団体を名乗ることは今回はデメリットが多いのです。
毎日新聞と戦う場合、団体対団体であたれば、もちろん後ろ盾の無い小さな団体の方が負けます。
また、リーダーを設定すればリーダーがねらい打ちされることもあります。
署名やシャメからは、個人情報が漏れて個人を攻撃される場合もあるので、 シャメはパソコンで表示した後、スクショを撮って下さい、そうすれば個人情報は消えます。
目標を設定するということは、個を団体にまとめ、妥協を引き出すためのものです。

デモに関してですが、 工作員潜伏による内部崩壊の危険や、 何らかの政治グループに利用され、レッテルを貼られる危険等を考えると、 既女板で扱う問題ではないと思われます。

現在の電凸、不買、ビラ配りはいわばゲリラ的レジスタンスであり、敵から見えない、予測できない、どこまで戦えばいいのかわからない、ことが最大の強みです。
我々は、情報を共有した独立した個の集合体です。
中心点を作らないことで生まれる強さというものもあります。
攻殻機動隊にもありましたね、スタンドアローン・コンプレックスという名前で。
匿名性が失われると格好の標的になってしまうので
国民の全てに今回の件が周知徹底されるまで、粛々とうっかりし続けて下さい。

また、潰すと宣言することは毎日新聞は名誉毀損・威力業務妨害で法的措置をとると言ってるので
彼らに格好の反撃材料を与えてしまうことになります。お気を付け下さい。


このレスなんかモロに「身体の存在しない戦争」(P91)そのものの話だ。
本書では、PMCによる戦争の外注化を軍事革命(RMA)と呼んで、傭兵の反乱・あるいはネットワーク状の敵にどう向き合うかという点について話を進めている。

イスラム原理主義という特定のイデオロギーや教義はない。
あれは「喜捨」という、貧しいもの・困っているものを助けようという善意や義憤が極限まで先鋭化したものなのだ。
また、2ちゃんねるという特定の組織がないように、アルカイダもひとつのまとまった組織ではない。
反米・反ユダヤを標榜する目標はあるものの、その組織は小さく別れ、別個に行動している。
彼らの行動の根幹はやはり、特定のイデオロギーではなく、非常に個人的でプリミティブな義憤の感情である。

やはり、ネットワーカーが進化していって「ホモ・モビリタス」になった時、その習性はムスリムに近づくのだろうか。
(「イスラームの世界観 移動文化を考える」参照)

ネットがマスコミを監視する機能を持つのではないか、という話をすると必ず「あんなものは衆愚で権力を裏付けるイデオロギーが存在しない」という趣旨の反論を受けるが、それは要するに既存の権力と「生の権力」は非対称であるということなんだろう。

全体として、非常に解りづらい。
「本書は哲学書である」といっているだけあって、ひとつひとつの観念的な話と具体例との距離がありすぎる感じだ。

一部一部には示唆に富むものがあるが(「アメリカはアメリカだから軍事力を行使する」というオルブライトの発言は、「のび太のくせに生意気だぞ」というジャイアンの理論と全く同じだ)、多くの社会学の本がそうであるように、せいぜい現状分析までが関の山で、具体的な対処方法は全く提示されていないのではないかと思う。
明確なビジョンを求めると肩透かしをくらうと思う。

これといった解答はなさそうなので、下巻は読まない。

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