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岡本幸治・著「インド世界を読む」
インド世界を読む (創成社新書)インド世界を読む (創成社新書)
(2006/10/20)
岡本 幸治

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現代のバングラデシュについての記述のある本を探していたのだが、見つからなかったので、バングラの大元であるインドについての本を借りてきた。
しかし、予想通りバングラデシュについての記述は刺身にツマかタンポポ以下に少なく、「日本をフジヤマ・ゲイシャで語るように、インドをカレー・ガンジス川の沐浴といったステレオタイプで語るのを止めてもらいたい」と主張するなら、バングラデシュについてももう少し詳しく教えて欲しかった、と思った。

そのわりにパキスタンとの関係については結構詳しく書かれており、やはり戦争やっていた地域のほうが話題になりやすいのかな?という感じがした。
インドとパキスタンは3回戦争をやっており、3度目の戦争の時独立したのがバングラデシュだという。
建国が1971年だから、かなり若い国である。

個人的にちょっとひっかかったのは、日露戦争での勝利が、インド独立を勇気付けたという話だ。

確かに日本は日露戦争でロシアに勝利した。
しかし、その勝利は勝利でもイギリスの援護あっての判定勝ちのようなもので、損得勘定でいったら大損の大赤字である。
未だに臥薪嘗胆とかいってるバカタレが多いが、戦争は勝利することより大敗しないことのほうが重要なのだ。
イギリスの援助で勝った戦争について、イギリスに支配されていたインドがシンパシーを得るのは、なにか違うような気がするが、そのへんどうなっているのだろうか?

それにしてもイギリスの植民地支配はイスラエル・パレスチナにしてもインド・パキスタンにしても独立後もずっと揉め事が残るようにしてある。最低だ。
よく、この管理人はどう考えても思春期が終わってないだろという感じのサイトで、ブリティッシュトラッドを礼賛しているようなところがあるが、ああいうとこを見てると、お前はもう少し歴史を勉強しろといいそうになる。
僕もそれなりに人間が大人なので(日和見主義ともいうが)言わないが。

さて、本書に話を戻すとマハトマ・ガンディ、スバス・チャンドラ・ボース、ラダビノド・パール判事など日本でも好意的に見られるインド人の話から始まって、関心が薄くなった70~80年代、ITソフト産業の急成長した90年代の日本からのインド観などについて言及している。

しかしシンガポール程度の小国家ならいざしらず、多くの貧困層を抱えた世界第二位の人口大国がITだけで雇用を確保し、みんなが食っていけるはずがないではないか。
調子のいいことを言ってくれるIT信者がいるものだなあ(P22)


というくだりが、なんだかこないだのひろゆきの本と話が被っていて面白かった。

またガンディ(どうしてもガンジーと書いてしまうな)の非暴力主義についても、「マイト・イズ・ライト(力が正義)」とか「治にあって乱を忘れず」などの古語が未だに通用し、テロや軍事介入が横行する国際政治においては、効果は疑わしいとしている。
このへんは軍事趣味者と意見が一致しているようだ。

他にも、貧困の撲滅への努力が続けられていること、国土が広すぎ・民族が多すぎで実態は連邦制に近いほど地方が強いこと(日本の中央集権ぶりは異常だそうだ)、ヒンドゥ教徒からみるとセキュラリズム(世俗主義という直訳は誤りで、政教分離主義とか非国教主義としたほうがよいそうだ)はムスリム優遇政策にみえること(フランスと正反対だ)、冷戦時代は「敵の敵は味方」論法でインドにソ連が、パキスタンには米中がつくという「ねじれ冷戦構造」になっていた、など細やかな話も結構面白かった。

普通に生活していると気づかないが、今、アジアといえば中国とインドなので、特にインドに興味がない人にもお奨めできる。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

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